みなさんはマミートラックという言葉を知っていますか?
マミートラックとは
女性が育児や産休・育休後に職場復帰した際に、出世コースから外れたり、キャリアが狭まる状態を指す。
私も産後仕事復帰し、本来やっていたような仕事からは外され、
時短勤務でもこなせるような「上司のサポート業務のみ」にまわされた過去がある一人です。
加えて仕事はテレワーク。チャットででしかやり取りのない毎日。
上司から仕事を振られ、質問したりすると、返事が返ってくるのは数時間後。
もしかして私、ぞんざいに扱われてる?必要ないって思われてるのかな?と毎日悲しい気持ちになっていました。
本来であれば、会社ともっとコミュニケーションをとるべき問題です。
私の場合、相談したいと上司に言っても「社長に聞いてみるね」と言われて、
結局上司が私のことを忘れて、相談は実施されずじまい。
そんなことが常にある会社で、私は働く気力もモチベーションも失ってしまいました。
そして「この会社にいても私は幸せになれない」と思い、退職を決意しました。
デザイナーとして8年会社に勤め、マミートラックにハマったとしても、時短勤務を続けることだってできた。
でも辞めました。
私は会社にどうしてほしかったんだろうか?
中小企業とワーママの「ちょうどいい」はどこなのか?
主に私の心の整理のためにこの記事を残したいと思います。
長いですが・・・読んでくれたら嬉しいです。
要らんことをいちいち言う社長
中小企業の子持ち社員へのサポートの限界も理解はできますよ。
でも社長は私に「勝手に子どもを生むのを選んだのはお前だから、お前ばかりを優遇するわけにはいかない」と言いました。
そりゃ社長からしたら、結婚という選択をせずに
がむしゃらに自分の会社のために仕事をしている女性社員の方が大事でしょうよ。
経営って大変だし、社員に給料を払い続けなきゃならないことも相当なプレッシャーでしょうよ。

でもそんな言い方する必要ある?
迷ったり申し訳なさを感じながら時短勤務をしていた私には、これはショックな言葉でした。
ひどいっていうか、もっと違う言い方できないの?って感じです。
こういう、人がちょっと不快感を感じるような言葉選びを無意識でしちゃう人なんですよね・・・。
入社面接の際に「近々結婚して子ども生む予定はある?すぐ子ども生まれると困るからさ〜」と言っちゃう人。
なんかの雑談の時に「身体が弱い子どものうちに死んじゃったとしても、また生めばいいじゃん」とか言っちゃう人。
自分が嫌な気持ちになる人と一緒に働きたくないですよね?
嫌な気持ちになることに時間を使いたくない。だって私笑って育児したいし!
社長って、何年も会社を継続させるためにたくさん努力してるのはすごいことだと思うんですが、
こういう言葉を無意識に吐いてしまう人が会社の社長なんです。
そして性格って、もう変わらないんです。
この社長の存在が、退職を決めた理由でもあります。
副社長もヤバかった
入社した当時25歳。社会経験は少しはあるものの、デザイナーとして全く使えなかった頃、
私は副社長の女性からいじめを受けました。
私より10歳くらい上の方で、若いだけで何もできない私が気に食わなかったんでしょう。
毎日終電の時間を過ぎても帰らせてくれない。定時の時間を過ぎてから始まる長時間の説教。(6時間とか普通)
「ぶっ潰してやる」と言われたり、副社長が自分の間違いに腹を立てて私が座ったままの椅子を蹴ってきたり。
とにかく毎日毎日怒られて、嫌われて、人格を否定されて、あの時の私はどうやって生きていたんだろう?
水を飲むこともご飯を食べることも「怠けている」と思われそうでできませんでした。
大人でこんなことする人いるんだと、ある意味勉強になった経験でもありましたね〜。
当時は「仕事できるようになって見返してやる」と思ってましたが、
何も対処してくれない会社に対して嫌悪感が積もり始めました。
副社長もいろんなコンプレックスがあって苦労したんだろうなと、今は思うことができます。
でも人にやっちゃいけないこと、言っちゃいけないことってあるよ。
大人になってからも自分を正す機会がなかったなんて、相当可哀想な人ですよね。
社長と共通しているのが、これを「無意識でやっている」ということ。
だから周りは口々に「悪気はないんだけどね」って言うんですよ。
いいですか、悪気がないのがいちばん悪いんです!!!
数ヶ月に渡っていじめられた後、パニック障害を発症しました。
そうしてやっと副社長と距離を取ることができました。
子どもを妊娠したら、会社から離れることができた。withコロナ
ほぼ洗脳されていた私は、そんな扱いを受けても「会社を辞める」とは考えたことがありませんでした。
「会社を辞める=逃げる=負けを認める」だと思っていたので・・・。
デザイナーなので、定時になったからって仕事が終わるわけではありません。
毎日仕事漬け。このままじゃヤバい!と始めたマッチングアプリで今の夫と出会いました。
結婚したいタイミングがたまたま一緒だったというのもあり、あれよあれよと同棲を始め結婚に至りました。
そして妊娠。
仕事ででしかアイデンティティを見いだせなくなっていた私に、
新たに「家庭」というアイデンティティが生まれたんですね〜。
そして世はコロナ禍に突入。仕事はテレワークになりました。
妊娠している私は当時の上司が気を使ってくれたこともあり、仕事も軽いものしか渡されず。
あんなに忙しくて仕事が終わらなかったのに、家に居れるし、仕事は軽いし、
相当ハッピーな妊娠期を過ごしました。今まで嫌だったこと全てから解放された気分。
結婚と出産を選択したら、私は会社の所有物ではなくなった。
今まで会社に傷つけられ、いいように使われていた私が、会社が手を出せない世界を得たんです。
その事実が嬉しくて、私はこの世界を何が何でも守ろうと決心しました。
仕事では代わってくれる人がいる。でも息子には私しかいない。
「あんたなんか生まなきゃよかった」と母に言われ育った私。
過去の経験から「自分は絶対そんなことは息子に言わない」と誓って子育てをしています。
ということは、イライラしてはいけません。
ということは、あまり仕事ばかりをしていてはいけません。
息子に笑顔で接するため、余裕のある育児をしなければと誓ったのです。
でも時短勤務でデザイナーって私にとってはかなり難しかった。他の人が私を扱おうとするのも難しかったと思う。
すぐ「子どもが熱を出して・・・」なんて言われたら、フォローする人大変ですもんね。
マミートラックにハマってしまったとしても、仕事続けられるだけマシ!と思えたらよかったのかもしれません。
出産前にやっていた、もっと骨子を考えるような重要な案件は私には振られなくなりました。
きっと給料ももう上がらないだろう。じゃあ何のためにこの会社で働くの?
私は徐々に仕事へのモチベーションを失っていきました。
ある日、久しぶりに社長から仕事をもらったと思ったら、
夜中も休日の稼働しないと間に合わないようなスケジュールの案件でした。
連絡もらった時はこんな過密スケジュールだとは説明されず。
後から聞いて、社長に話したら「俺はもうこの案件関わってないから」と言われました。



最初から説明されてたらこの案件は受けてないよ・・・
この案件を続けたら、私が今まで守ってきた生活リズムが一気に崩れてしまう。
イライラはするし、余裕がなくなってしまう。
そもそも時短勤務で契約し直したのに、このスケジュールの案件を私にさせるってどういうこと?など、
頭の中はぐるぐるぐるぐる・・・。
とっくに会社内でのストレス耐性はなくなっていたので、この案件は先輩に代わってもらいました。
代わってもらった後はやり場のない怒りと、情けなさと、申し訳なさとでいっぱいになりしばらく病みました。
もう無理だな、この会社には居れないな、離れた方がいいなと思いました。
私が絶対絶対絶対やらなきゃいけないのは、息子の世話なんだ。
仕事には、私よりも仕事に時間を使えて私よりも仕事ができて私よりも早く仕事を終えられる人がいる。
私が今絶対絶対絶対やらなきゃいけないのは、息子の世話なんだ。
そう自分に言い聞かせて、仕事を辞める決心をしました。
私は会社の所有物ではない。母であり、息子を育てなくてはならない。
うまくバランスを取れてる人、取ろうと努力している人。本当にすごいと思います。
私はうまくできませんでした。この会社では、うまくやらない選択をしました。
だって無理なんだもん。息子には私しかいないんだもん。
誰も助けてくれないんだもん。
代わりなんていないんだもん。
「ボヤ子さんは主婦業に専念することになったので」じゃねーよ
ここまできたら、私は堂々と仕事を辞めてやる!と決意。
会社の皆で集まる日に、他の社員の方にもちゃんと面と向かって挨拶をしました。
その際、社長が私を紹介する時に言った「ボヤ子さんは主婦業に専念することになったので」という言葉。
いや、主婦業に専念するなんて一言もあなたに言ってないのよ。私のこれからを勝手に決めないでよ。
今ってこういう、人のことジャッジするなって、慎重になってる風潮ですよね!?
社長には届いてないのかな!?
最後までいちいちモヤモヤさせる人だな〜と思いました。
決めつけられるのってとっても不快なこと
私が一番嫌だったのは、決めつけられること。
「あいつは結婚してるから」「あいつは結婚してないから」「あいつは実家住まいだから」「あいつは子どもが3人もいるから」「あいつのところは双子だから」「あいつは子どもいないから」・・・
全部、「だから何!?」って感じじゃないですか?
「あいつは◯◯だから△△なんだよ」っていう決めつけが大好きな人が多かった会社だったように思います。
それがとっても不快でした。
人をこうだと決めつけて、コントロールしようとする。
そんな決めつけは一切せず、悩んでいる人の話を聞いて、解決できるよう動いてほしい。
それが社内で無理なのなら、外部から雇ったりしてさ・・・。
国をあげて少子化対策について色々議論がなされていますが、
ぜひ企業でも色々な制度をつくったり見直したりしてほしいです。
そして、自分の会社の従業員の話をもっと聞いてほしいです。
マミートラックへの過剰配慮も当事者にとっては不快かもしれない。
ひとりひとり状況は違うはず。
でも聞いてもらっただけでも「会社は私のことを考えてくれている」って思えたりするものです。
安心して、今日一日生きれたりするんです。
職場全体で理解を深めていってほしい。そしてもっと関心を持ってほしい。
そして当事者も「私はどうしたいのか?今何を考えているのか?何が苦しいのか?」と言うことをもっと主張する。
面談は大事だと思いますね〜。
私はしたくても実施されなかったですからね・・・。
会社を辞めてから
会社を辞めた今、私がやるべきことは
会社に対する嫌な気持ちを成仏させてあげることだと思っています。
「あの時ああやってひどいことを言われて傷ついた」
「あの時不当な扱いを受けた」
こうやって考え始めると、キリがありません。
思い出している間、憎しみに近い嫌な気持ちが湧き上がってきます。
ネガティブなことに時間はなるべく使わない。
それが過去傷ついた私にできる精一杯の報いだと思っています。
嫌な思い出にしないために、会社を辞めたんです。
嫌なこともあったけど、お世話になった人はいたし、
嬉しかったことも楽しかったこともありました。
色々と勉強になった8年間でした。
過去にとらわれ、イライラした時にやってること
・・・それでも過去を思い出してイライラしてくる時は、
神社に行ったり占いをしてみたり自分の気持ちを書き起こしてみたり、
とにかく自分をカウンセリングすることを心がけました。
宇宙うんぬんのYoutubeを観漁ってみたり。笑
レジンでアクセサリー作りを始めてみたり。
スマホでゲームをしてみたり。
なんでもいいんです。ネガティブになる時間を少しでも減らすことが大事でした。
そうやって時間が過ぎていけば、嫌なことはだんだん薄れていくんです。
結局時間が解決してくれるから、自分は時間の流れに身を任せるだけ。
みなさんの健闘も祈っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。